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股関節は、寛骨臼
かんこつきゅう
、大腿骨頭、関節唇
かんせつしん
、滑膜、関節軟骨といった部分からできていて、丸い球体のような関節で可動範囲が広いのが特徴です。

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、関節の動きがスムーズでなくなることで起きるトラブルです。
「軟骨が減る=痛みが出る」というイメージは正しいのですが、実は原因はひとつではありません。

その原因になりうるを一つ一つ解説していきます。

画像提供元:https://www.kokansetu.or.jp/personal/hipjoint_03.html?utm_source=chatgpt.com

変形性股関節症の主な要因

股関節の骨の被りの浅さ

股関節が痛い女性に多いのが
「臼蓋形成不全(股関節の受け皿が浅い)」というタイプ。
受け皿が浅いと、体重を受ける面積が小さくなり、どうしても軟骨への負担が増えやすくなります。
これが長年の積み重ねで痛みの元になる場合があります。
話を聞くと、以前から股関節の違和感がある場合が多いです。

姿勢や歩き方などの動作の“クセ”

股関節は、立つ・歩く・階段…ほぼすべての動作で使われる関節です。

そのため、
・体重の増加

・片脚にばかり体重をかける立ち方(立ちクセ)

・ガニ股・内股のクセ

・歩き方(猫背、反り腰、バックやリュックなど)

「軟骨が傷む=痛み」ではなく、
“力のかかり方の偏り”が根本にあるケースがかなり多いです。

運動不足などによる筋力低下や柔軟性低下(老化も含む)

股関節まわりの筋肉(おしり・太もも・骨盤まわり)が弱くなったり、その周辺の筋肉が硬くなってしまうと
関節自体への負担が増えてしまいます。

上記の図を見てください。
2024年10月に発表されたオリンピック金メダリストハンマー投げの室伏氏が723名(女性523名、男性209名)に行った運動能力の研究結果です。
簡単に研究結果を話すと、運動能力は性別にかかわらず、加齢に伴って低下し、49.1歳を境に急激に低下することが明らかとなりました。
しかも、女性において上半身の運動能力が男性よりも急激に低下することが明らかになりました

このように40–50代以降は、運動能力が急激に落ちる時期なので、
気付かないうちに股関節に負担が増えていたという方が多いのです。

なので、「老化」と『動きのクセ』の両方に対応しなければ身体は良い方向に導けません。

変形性股関節症への運動療法

上記で述べた原因に対する対策として「股関節への負担を減らすこと」と「股関節を守る筋力をつけること」の2つが基本となります。

進行度合いによって適切な対応は異なりますが、手術を避ける(または先延ばしにする)ための保存療法として、日常生活で取り入れられる具体的な対策と簡単な運動をご紹介します。

日常生活での留意点

●体重のコントロール

歩行時、股関節には体重の約3〜4倍の負荷がかかります。

つまり、体重を1kg減らすだけで、股関節への負担は3〜4kgも減ります。適正体重を保つことが最も効果的な対策の一つです。

●深く曲げるような動きに気をつける

避けるべきこと: しゃがみ込み、和式トイレ、敷き布団での就寝。これらは関節を深く曲げるため負担が大きいです。

推奨: 椅子、ベッド、洋式トイレを使用する生活にし、床に座る動作を極力減らしてください。

●杖(つえ)の使用

「まだ早い」と躊躇する方も多いですが、杖は非常に有効です。

使い方: 痛い足とは「逆の手」で持ちます(右足が痛いなら左手で持つ)。これにより、痛い足にかかる荷重を分散させます。

●靴の選び方

クッション性の高いスニーカーを選び、衝撃を吸収させます。かかとが硬い革靴やヒールは避けます。

代表的な運動療法(筋力強化と可動域維持)

行う前の約束として
・「痛くない範囲」で行うのが鉄則

・息を止めず、自然な呼吸で行う

以上の2つを守ることで悪化を防ぎ、運動の効果を引き出します。

●貧乏ゆすり(ジグリング)
目的: 関節液の循環を促し、軟骨に栄養を届ける。 これが最も手軽で、現在医学的にも推奨されているケア方法です。

①椅子に浅めに腰掛けます。

②足の裏を床にぴったりつけます(膝の角度は90度くらい)。

③かかとを上げ下げして、トントンと小刻みに揺らします。

ポイント: 太ももの力を抜き、リラックスして行うのがコツです。

時間: 1回5分〜10分程度、気づいた時に何度でも行ってOKです。

●つま先のバイバイ運動
目的: 股関節のねじれを緩和し、可動域を保つ。

①椅子に座り、かかとを床につけたまま、つま先を少し浮かせます。

②かかとを軸にして、つま先を**「内側・外側」**へと交互に動かします(バイバイするように)。

回数: 20〜30回程度。股関節の付け根から動かすイメージで。

● 膝の開閉運動
目的: 内ももとお尻の横の筋肉を刺激する。

①椅子に座り、足を肩幅くらいに開きます。

②ゆっくりと両膝を内側に閉じ、次にゆっくりと外側に開きます。

回数: 10回〜20回。痛みが出ない範囲でゆっくり行います。

・痛みが変わらない
・痛みが増す
・動画が欲しい
などの質問があれば、お気軽にお問い合わせください(^^)