LOADING

CONTENTS コンテンツ

腰の骨(腰椎)の仕組み:5つのブロックとクッション

腰の骨は、専門用語で「腰椎(ようつい)」と呼ばれます。 家でいうところの「大黒柱」のような役割をしていますが、単なる一本の棒ではなく、非常に精密なパーツが組み合わさってできています。

① 5つの骨が積み重なっている

腰椎は、5つの骨のブロックが縦に積み重なってできています。上から「第1腰椎、第2腰椎…」と呼び、一番下の第5腰椎は骨盤(仙骨)とつながっています。役割として体重の大部分を支える「土台」の役割を果たします。

②クッション役の「椎間板(ついかんばん)」

骨と骨の間には、「椎間板」という弾力のある組織が挟まっています。

  • 構造: 外側は硬いゴムのような「線維輪」、中身はゼリー状の「髄核(ずいかく)」でできています。
  • 役割: 歩く時やジャンプした時の衝撃を吸収する「高性能なサスペンション」です。これがあるおかげで、私たちはスムーズに体を曲げ伸ばしできます。

③神経を守る「トンネル」

背骨のブロックを上から見ると、真ん中に穴が開いています。これが縦に連なることで、一本の「脊柱管(せきちゅうかん)」というトンネルになります。

  • 役割: このトンネルの中を、脳から続く大事な神経の束が通っています。
  • ポイント: 背骨は、脳からの指令を足先まで伝える「電気コード」を守る「頑丈な管」でもあるのです。

このように腰の骨がブロックのように連なっている構造をしています。

腰の骨の仕組みは、よく「シュークリーム」(または大福)に例えられます。

  • 背骨(腰椎): 骨のブロックが積み重なっています。
  • 椎間板(ついかんばん): 骨と骨の間にある「クッション」です。これがシュークリームです。
  • 神経: 背骨のすぐ後ろに通っている「電気コード」です。

では、その腰にどのような負荷がかかる場合がヘルニアになるのか。詳しくみていきましょう(^^)

腰椎椎間板ヘルニアになる主な3つの要因

ヘルニアとは?
「ヘルニア」という言葉は、ドイツ語で「何かが飛び出すこと」を意味します。

つまり、腰椎椎間板ヘルニアとは、「クッション(シュークリーム)が押しつぶされて、中身のクリームが飛び出し、後ろの電気コード(神経)に触れてビリビリしてしまう状態」のことです。

では、なぜクッション(シュークリーム)が飛び出してしまうのか。
その原因は主に「加齢」と「負担」の掛け合わせで起こります。

加齢(クリームが硬くなる)

実は、椎間板の老化は20代前半から始まると言われています。 (画像参照)
子供の頃は水分たっぷりでプルプルだった中身(クリーム)が、年齢とともに水分が減り、パサパサ・硬くなってきます。 弾力がなくなると、少しの衝撃でも外側の皮(シューの部分)が破れやすくなります。

日常の負担(シュークリームが押しつぶされる力)

老化して弱っているところに、さらに「強い圧力」がかかることで、ついに中身が飛び出します。 特に以下の動作がきっかけになります。

前かがみの姿勢: お辞儀をするような姿勢は、腰に体重の約2.5倍の圧力がかかります。(画像参照)

重いものを持つ: 急激な圧力がかかり、一気に破裂する原因になります。

座りっぱなし: 実は「立っている時」より「座っている時」の方が、腰のクッションへの負担は大きいです(デスクワークや運転手など)

☆ポイントは、座っている姿勢の方が、シュークリームの部分に負担がかかるということです!

その他の要因

遺伝(体質): 骨やクッションの形、強さは親から受け継ぐ部分があり、なりやすい家系があります。

喫煙: タバコは毛細血管を縮めるため、椎間板に栄養が行き届かず、老化(変性)を早めます。

椎間板ヘルニアの危険な姿勢・動作

先ほどから説明しているように
①前かがみ
②座位
③捻り
この3つの動きにヘルニアは突出しやすいです。(画像参照)

⚠️ 要注意⚠️
・足に力が入らない(スリッパが脱げる、つま先立ちできない)

・おしっこや便が出にくい、感覚が鈍い

・痛みが激しすぎて眠れない これらは緊急を要するサインですので、自己判断せず受診してください。

このような症状がみられる場合はすぐに整形外科を受診してください。

腰椎椎間板ヘルニアに対する運動療法と日常生活の注意点

・安静時に痛みがない
・要注意に当てはまらない
上記の方は、痛みの「強さ」に合わせて、無理のない範囲で試してみてください。

マッケンジー体操

ヘルニアの多くは後ろ側に飛び出すため、「腰を反らす」ことで中身を前へ押し戻す効果が期待できます。

1.うつ伏せに寝ます。

2.肘をついて上半身をゆっくり起こします。

3.腰の力を抜き、深呼吸しながら30秒キープ。

※足に響くような痛みが出る場合は、すぐに中止してください。

ウォーキング

痛い=安静だと思っている方が多くいる印象です。
実は、「痛いからずっと寝ている」のは、逆効果になることがあります。
激痛や安静時の痛みが引いてきたら、平らな道を10分〜15分ほど散歩してみてください。
歩くことで腰周りや足の血流が良くなり、天然のコルセットである筋肉も刺激され、回復が早まることが科学的に証明されています。

腰部に対する温熱療法

急激なギックリ腰(発症から1〜2日)でない限り、温めるのが基本です。

入浴: 40度前後のお湯にゆっくり浸かり、筋肉の緊張をほぐします。

ホットパック: 痛む部分に蒸しタオルやカイロ(低温やけど注意)を当てると、血流が良くなり痛みが和らぎます。

寝る姿勢の工夫

寝る時の姿勢ひとつで、翌朝の楽さが変わります。

横向き: 背中を少し丸め、両膝の間にクッションや枕を挟むと腰が安定します。

仰向け: 腰と膝の下にクッションを入れ、膝を軽く曲げた状態にすると腰の曲がりが抑えられて楽になります。

ポイントは腰に丸みを作ることです。
抱き枕やクッションをうまく活用しましょう!

まとめ

腰椎椎間板ヘルニアになる腰の状態と理由がイメージできたでしょうか?
原因から対策までたくさんの説明をさせていただきましたが、重要なのは

●加齢によって椎間板(クリーム)が硬くなるだけではヘルニアにはならないということ
●その硬くなった椎間板(クリーム)に前屈や捻りなどの負担がかかることによってヘルニアが突出すること

つまり、腰だけに前かがみや捻りの負荷がかかる原因を見つけることが根本改善となります!

腰椎椎間板ヘルニアと診断されて、湿布や服薬のみでなかなか改善が見られない方!
諦めずにお問合せからお気軽にご相談下さい(^^)

ではまた(^^)/~~~